こうもりたぬきの冒険

なんとなくな話を書くための場所

絶対に成功するウェブビジネス

僕は勉強だったり、本を読む時は喫茶店だったりファストフード店を使うことが多いんだけど、店内を見渡すと、ちらほら怪しげな二人組だの三人組が目につく。

彼らは熱心に顔を突き合わせて何やら深刻な話をしていたり、あるいはPC画面を覗き込んでいる。

 

 

僕は昔、コメダ珈琲で完全に詐欺と思われるウェブビジネスの勧誘に遭っている大学生を目撃したことがある。

如何にも金を持っていそうな若い男が、大人しそうな大学生を執拗に説得していた。

彼らの話を要約すると、早い話が今ここで百万円の支払いの契約書にサインしろとのことだった。

男の話は、赤の他人として横で聞いている分には面白くて、詐欺師の常套句の様な言葉を繰り返しいる様に見えた。

つまるところ、自分たちはクリーンである。絶対に儲かる・成功するということだ。

時間にすれば30分ほど僕の席の真横で話をしていて、ほぼ会話が筒抜けであったのだが、特に印象に残るのは彼のこんな説教のくだりがある。

 

 

「人間ってのは幼稚園児くらいまではなんでもやりたいことって実現出来るんです。それはやりたいことの規模が小さいからです。

例えば「自分の足で歩きたい」とか「歌を歌ってみたい」とかです。でも中学生くらいの年齢になると、それが段々難しくなってくる。挫折とかそういうものが付き纏ってきて、やりたいことに対する実現が「出来るひと」と「出来ないひと」とで別れてくる。あなたの人生でもそうだったはずです。

でも今日決断することで、自分への投資の百万を支払って頂くことで、今まで味わってきた、「他人はあんなに上手くやるのに」という悔しい気持ちをここで帳消しにすることができます。なぜならこのビジネスは100%成功するし、もうあなたは全てが「出来るの側」の人間になるんですから」

若干、うろ覚えだが、こんな感じのことを言っていた。正直、最初から最後まで眉唾しかない話であるし、話してる若者かthe軽薄そのものな風貌と話し方だったので、全く話に引き込まれなかった。正直、こんなやつに騙されるやつがいるのだろうか?と思った。

 

 

そこで僕が二人に割って入って、「じゃあ、アフリカでハゲワシに今にも食べられそうな少女がいたとして、その子が願えば好きなだけ食事が食べれるわけ?」と言ったら、男はどう言っただろうか?

「そんな極端な話をされても」と言われるか、はたまた無視か……。でも僕からすれば「絶対成功するビジネス」なんて、「ハゲワシに今にも食べられそうな少女」ばりのナンセンスで極端な話だと思うんですが。

前述の通り、二人は途中で席を立ったから、その話がどうなったかは分からない。

 

 

 

僕がひとりでマクドナルドにてポテトを頬張っていると、広めの席で、どう見ても友人同士には見えない、何やら難しそうな顔で話している数人のグループがいたりする。

彼らを見ていると、なんだか犯罪の匂いを感じてしまう。おそらくそう感じるのは、僕だけじゃないはずだ。